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らぶあど encore!
第18章 波瀾のdate
祐樹の低く、甘い声とはまた違うが、これはまた好きな声だ、とほなみは思った。
ビジュアル系のバンドに居そうな美男子だが、こうして街角で歌って小銭を稼いでいるという事は、少なくとも
"売れている"
訳ではないのだろう、とほなみは推測した。
今度は、少し弾む様なリズムの曲を男性が歌い始めると、ほなみの隣の女性が手拍子を始めた。
ほなみもつられ手を叩こうとした時、突然男性が演奏を止め、険しい顔をして怒鳴った。
「おい!
チャカチャカ手拍子をする様な曲じゃね――んだよ!
黙って聴いてろ――!」
「――!」
言われた女性は真っ青になりショックを受けていたが、隣のほなみも、まるで自分が叱られた様にビクリとしてしまう。