この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
らぶあど encore!
第18章 波瀾のdate
他の女性達も、怯える者、眉をひそめてその場を去る者、怒った様に何かをぶつぶつ言いながら彼から背を向けて行ってしまう者、反応はそれぞれだったが、やはり彼のそんな態度はあまり誉められた物ではなかった。
やはり怒鳴られた女性も、しゃくり上げながら小走りに雑踏へ消えていった。
ほなみは呆然と立ち尽くしていたが、彼が長い前髪を掻き上げ、見詰められて我にかえった。
「悪かったね、お姉さん。せっかく聴いててくれたのに。
気分悪いから今日はこれで終り――!」
男性は大きく伸びをして、乱暴にギターをケースにしまった。
歌う時のミステリアスな雰囲気とは全く違う、ふてくされた子供の様な仕草に、ほなみは呆れ、ついこんな事を言ってしまう。
「色んな歌がある様に、聞く人も色んな人がいて、聞き方だってそれぞれ違うと思います……
あんな風に怒ったら、せっかくの貴方の歌が届かないままですよ?」
言ってから、しまったと思うが遅かった。
男性の顔色が変わり、ほなみの腕を掴んだ。