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らぶあど encore!
第19章 心~crossroads
すっかり眠気が覚めてしまった景子は、自宅マンションに到着し、タクシーから降りエントランスから豪奢な建物を眺めた。
都内の一等地とも呼べる場所に建つ、近代的でしかも上品さを醸し出す雰囲気の高級マンションに自分が住んでいるなど、身の丈に合っていないにも程がある。
ここは、マネージャーの仕事を決めるにあたり、岸和也会長が好意で景子に世話してくれたのだ。
知り合いがオーナーらしく、相場の四分の一以下の賃料で良いと言ってくれて、有り難く甘えさせて貰っているが……
エレベーターに乗り込み、中の鏡に映る自分を見て、景子は胸苦しさを覚えた。
今、自分の周りに居る人達は一様に優しくて親切なのだと改めて思う。
智也も綾波も景子を信頼し、何かあれば相談に乗りなさいと言ってくれるし、クレッシェンドのメンバーにしても、景子があれだけ初対面で酷い振る舞いをしたのにも関わらず、皆どちらかと言うと友好的に接してくれる。
あぐりという女は、多分かなりのお人好しなのだろうか。
今日別れ際に、強制的にlineの交換をさせられ、
"今度、ゆっくり女子会でもしよう!決まり!"
と宣言されたのだ。