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らぶあど encore!
第19章 心~crossroads
だが、どんな見た目が美しい女でも、中身は同じだと史は思っていた。
皆一様に、
「愛」や「恋」を口にしてねだるが、自分の空っぽの部分を埋めてくれる物なら何でもいい生き物――
それが女だ、と思っている。
(――景子だってそうだ。
景子は、自分の居場所が無い寂しさから俺に溺れたに過ぎない。
景子が求めているのは、自分を甘やかしてくれて優しい言葉をくれて、時にはこうして欲を満たしてくれる相手だ。
それなら、何も俺じゃなくても良いだろう?)
彼女と暮らしていた時、客達に優しく囁かれたり、言い寄られて頬を染めたりする様子を見た史はそれだけで不機嫌になった。
自分は他の女と好きに遊んでいる癖に――だ。
だからと言って景子を愛していた訳ではない。
ただ、自分の物が他の奴に掠め取られるのが我慢ならなかっただけだ。