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らぶあど encore!
第2章 じれったい距離
ほなみと西本の略奪愛騒動で、テレビ局やら週刊紙の押し掛け取材やらが会社に殺到していた頃、勇ましくカメラの前で報道陣に啖呵を切ったかと思えば、キスひとつで気を失う純情さ。
自分の隣に座っていたカナが何を考えていたのか、智也には手に取る様にわかっていた。
それだけカナは顔に全ての感情が出てしまうのだ。
ほなみとは真逆だ。
ほなみは掴み所の無い柔らかい笑顔の中に色んな感情を隠してしまうが、カナは違う。
何を思っているのか全てわかる。
それなのに、距離を縮められそうで縮まらない。
カナが身構えているからだ。
――自分の勤務先の社長。
カナにとっての自分は、先ずその認識があるのではないだろうか。
今回の旅も、強引に誘わなければ来なかったかも知れない。
カナの中で、いつまで自分は
「社長」なのだろうか?
智也はハンドルに凭れかかり又溜め息を吐いた。
横で、いつの間にか寝息をたて始めたカナを見て密かに思う。
ほなみの時のように、焦ってはいけない。
大切に、大切にして行こう……。
智也はカナの巻き毛をくしゃりとした。
自分の隣に座っていたカナが何を考えていたのか、智也には手に取る様にわかっていた。
それだけカナは顔に全ての感情が出てしまうのだ。
ほなみとは真逆だ。
ほなみは掴み所の無い柔らかい笑顔の中に色んな感情を隠してしまうが、カナは違う。
何を思っているのか全てわかる。
それなのに、距離を縮められそうで縮まらない。
カナが身構えているからだ。
――自分の勤務先の社長。
カナにとっての自分は、先ずその認識があるのではないだろうか。
今回の旅も、強引に誘わなければ来なかったかも知れない。
カナの中で、いつまで自分は
「社長」なのだろうか?
智也はハンドルに凭れかかり又溜め息を吐いた。
横で、いつの間にか寝息をたて始めたカナを見て密かに思う。
ほなみの時のように、焦ってはいけない。
大切に、大切にして行こう……。
智也はカナの巻き毛をくしゃりとした。