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らぶあど encore!
第20章 Don't worry,I Love you
「う……ぐすっ……」
ほなみは、祐樹の乗ったタクシーが見えなくなってしまうと堪えきれずに涙を溢れさせ、しゃくり上げながらエントランスからマンションのホールへ入りエレベーターに乗り込む。
妊娠により感情の降り幅が大きい今のほなみに取っては、愛しい人が遠ざかって行く光景は、強烈に寂しいものだった。
「ダメ……
泣いてたら……
あぐりや、カナちゃんに心配かける……っ」
ほなみは懸命に涙を引っ込めようと何か楽しい事を思い浮かべようとするが、どうしても祐樹の悪戯な笑顔や、むくれて頬を膨らませる子供の様な仕草、そして彼の甘い囁きが浮かんできてしまうのだ。
「ひっく……一人じゃ……
泣き止むとか……
む、無理そう……」
だが、部屋に戻ればあぐりとカナがきっと笑わせてくれるだろう。
自分に言い聞かせながら、ほなみは部屋のドアを開けた。