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らぶあど encore!
第20章 Don't worry,I Love you
「……もしもし」
目の前に居たら、すがり付いているだろう。
ときめきに震える胸は、抑える事が出来そうにない。
『ほなみ?
ちゃんと部屋に居るね?』
優しく甘い声にうっとりとしながら、ほなみは笑った。
「もちろん居るよ?
西君も、無事に着いた?」
『着いた着いた!
……ねぇ、ほなみ、俺って天才かも知れない』
「ええ?」
弾んだ声から、鼻を高くして得意気な彼の顔が目に浮かんだ。
電話の向こうで、ピアノが鳴っている。
「西君……ひょっとして、曲が出来た、の?」
『大正解――!
ほなみのお陰でね!
……あの後さ、湧くみたいにパパパパッドバーン!て、次から次へ出来てさ~!
これで明日からのレコーディングもバッチリだよ!』
相変わらず、良く分からない表現だが、彼が音楽を産み出す時はいつもこうなのだ。
ほなみは、小さな子供にご褒美をあげる母の様な気持ちはこんな物なのだろうか、と思った。
彼の事が可愛くて、誇らしくていとおしくて堪らない。