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第22章 思いがけぬ邂逅

寝そべるあぐりの横で、ほなみは祐樹が送ってきた亮介と三広の変顔バトルの写メを見て、クスクス笑っていた。


あぐりも｢何々？｣
と覗き込むと、プーッと吹き出して笑い転げる。


｢あ――可笑しいっ！
カナちんも見てみな！
……ったく、あの子達、レコーディング中に何をしてんだか……
ぷくく……｣



カナは髪をゴムとヘアバンドで纏め、シートマスクを貼った顔で振り返る。


あぐりとほなみはギョッとするが、カナはスマホの画面を見てボソリと呟いた。



｢――私、私もよくこういう顔をするらしいです……｣


｢へっ？
……ああ、カナちん変顔得意技？｣


メイク顔と素顔がいわゆる
"使用前"と"使用後"
の様に、別人のカナにあぐりは内心ビビりながら言った。



カナは、化粧を取ると極端に幼く、地味になる。

初めて素顔を見た時にはあぐりは目を点にした。


ヘアメイクのプロを志す身としては、カナの

"別人の顔を作るメイク術"
を是非とも教授して欲しいと思うが、まさか本人に
｢素顔だと誰か分からないね｣
等と言う訳にはいかない。