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第23章 秘密のライヴ

バーの仕事がない日史は、街角に立ち、ライヴのチラシを配ったり、呼び込みを積極的にしているらしい。

華やかで目立つ容姿の史は芸能事務所によくスカウトされるらしく、関係者の名刺を沢山持っていた。



「なんだかさ～俳優だとかモデルとか、ダンスアイドルグループの勧誘ばかりでさあ……

俺はやっぱり、音楽をやりたいからさ。

……ま、同じ俳優でもアダルト映画男優なら悪くねえかな?

いい女とやって金になるんだからさ……

ん?……怒るなよ……冗談だって……

景子よりいい女なんか居ねえよ……」


史は、トランプのように名刺を広げて見せては、時折景子にこう言ってわざと焼きもちを妬かせ、その後烈しく抱くのだ。