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らぶあど encore!
第23章 秘密のライヴ
歴代のメンバー達は、景子に目をつける者も居た。
だが、史は景子に手を出そうとするメンバーを許さなかった。
景子に気のある素振りをしたメンバーは即刻クビになった。
景子は、史に散々冷たくされたり、かと思えばこんな風に独占欲を剥き出しにされたりして混乱もしたが、心の底では優越感を持っていた。
だが、今目の前の史は、景子が他の男に触れられているのに見向きもしない。
ほなみの表情に見惚れ、彼女の話を一片たりとも聞きもらすまいとするように、彼女に真っ直ぐに瞳を向けている。
――私は、一体なんなのだろう?
亮介に惹かれて、史への気持ちは褪めたと思っていたのに……
史が好きだから嫉妬するのではなくて、単にプライドが傷ついたから、こんなに腹立たしいのだろうか。
だとしたら、私はなんて愚かで醜い心の持ち主なのだろうか――
景子が自己嫌悪に暗い顔をするのを、やはり時田は史へのヤキモチだと解釈しているようだ。
「史は浮気者だよな――でも、俺はずっと景子ちゃんを一筋で思ってるんだけど?」
「……時田君も、彼女いるじゃない……」
景子は必死に作り笑いをし、彼の胸を押した。