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らぶあど encore!
第23章 秘密のライヴ
時田はそんな景子の抵抗にほくそ笑み、更に自分の方へと引き寄せる。
「ちょっ……触りすぎ……」
景子が軽く睨むが、時田は舌を出して明後日の方を向き口笛を吹く。
史がチラリとこちらを見たが、表情を変える事もなくほなみに向き直り、あろう事か、身を屈めて彼女の腕を掴みながら、下腹部に耳を充てている。
赤ん坊が蹴る音を聞こうとでもしているのだろうか。
その光景を見た瞬間、景子の中の何かが音を立てて崩れていった。
――史……史……
洋平がお腹にいた時、私は貴方に会うことも叶わなかったのに。
本当なら、私があんな風に触れられて優しい笑みを向けられている筈だったのに。
何故、貴方は分からないの?
貴方が他の女にそんな事をするのを見て、私がどれだけ傷つくか、分からないの?
それとも……そんな事もどうでもいいって事なの?
「うっ……」
堪えきれずしゃくりあげた瞬間、時田は景子を機材の陰へ引きずり込み、顎を掴み上を向かせると強引に唇を塞いだ。