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らぶあど encore!
第23章 秘密のライヴ
ほなみは、祐樹に他のミュージシャンの話をしたり、クレッシェンドの活動にについて口出しや質問をしたり等はしないように心掛けている。
いちファンだった頃とは違って、自分は彼の妻なのだ。
いや、そもそも純粋なファンだった頃があったのだろうか?
ライヴに行く直前までクレッシェンドの事を全く知らずにいたほなみは、テレビで偶然彼らのCMを見て、その音楽と祐樹の声と姿に魅入られてしまったのだ。
あの瞬間から、ファンという物を通り越していた様な気がする。
ライヴ会場で祐樹がステージに現れた時に感じた、ほなみの胸の高鳴りや身体中を駆け巡る熱。
あれは、紛れもない恋だった。
とてつもなく烈しい暴風に巻き込まれた小さな木の葉の様に、恋に翻弄されたのだ。