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らぶあど encore!
第24章 長い夜
綾波に裏拳で殴られ、三広は涙目で抗議する。
「わ――!なんだよ――綾ちゃんの乱暴者――っ」
「そうだ――そうだ!美名ちゃんに言い付けるぞ!綾ちゃんが威張ったって――!」
亮介も大袈裟に頭を押さえて痛がってみせる。
三広はミュージカルのような仕草で手を広げてよろめき、噴水の前に座り込んで嘆いた。
「ううう……酷い……酷いよ……綾ちゃんっ……
マネージャーじゃ無くなった途端にこの冷たい扱い……」
「本当だよなああ――!
ああ……俺らは綾ちゃんに見捨てられたんだよ……悲しいなあ……三広」
「そうだねえ、俺らってつまり、捨て子だよな……」
「りょーすけええ――!捨て子どうし、手を取り合って生きていこうな!」
「そうだなあ――みつひろ――っ」
騒ぐ二人に、次第に周りの人々が不審に思い立ち止まり始めるのを見て綾波は舌打ちをし、二人の肩を掴み歩き出す。
「お前ら小学生か!!いや、三歳児か――!
変装もしていないくせに騒ぐとか……アホなのか!?」
彼の叱責に二人は舌を出して笑うが、綾波が鬼の形相で睨む。