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らぶあど encore!
第24章 長い夜
「おいっ史!いちゃこらこいてないでお前も片付けろよな――!」
どこか諦めの混じった怒りの声で怒鳴りながら、ステージの方から延長コードを運んできた時田はドアの前に佇む綾波を見て訝しげな表情を向けた。
時田はコードを床に置いて、綾波に声を掛ける。
「あのう、俺らになんか用ですか」
「……」
綾波は時田が目に入っていないかのように、史とほなみを凝視して動かない。
時田は頭を掻いて肩を竦める。
「……ああ、また史のスカウトかな。
……悪いですけどアイツ今、あの女に入れあげてる最中だから……聞く耳を持つか分かりませんよ」
綾波は、時田の肩を掴み軽く退けると、無言で史とほなみに歩み寄る。
「あ……ちょっとあんた!」
時田が制止しようと手を伸ばすよりも早く、綾波は素早く史をほなみから引き離し、殴り倒していた――