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らぶあど encore!
第26章 長い夜③
喉の奥が苦しい程絞められ、気が付けばまた涙が頬を伝っている。
亮介の大きな瞳が揺れ、長い指が滴を受け止めた。
「――っ」
その仕草に目を奪われ、心を浚われて、景子は何も言えなくなった。
目の前にある亮介の表情は今まで見た中で最も魅力に満ちて見えた。今まで自分はこの人を前によく普通でいられたものだ、と思う。
彼の形の良い唇が僅かに動くのを目にすれば胸が烈しく鳴って、大きな瞳の瞬きひとつで彼女の心がざわめく。
――彼が変わったのではなく、景子が恋してしまったから、彼が今までと違うように見えるのかも知れない。
そんな考えが浮かんだ瞬間、亮介は景子の唇を奪っていた。