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らぶあど encore!
第27章 長い夜④
その文面を読み進めていくうち、ほなみの瞳は輝き、頬は紅潮し唇の端が上がる。
胸が一気に逸り、前のシートを掴み思わず「急いで下さい」と運転手に告げるが、運転手は戸惑った様に「もうすぐですよ」と言った。
信号が早く変わってくれないか、とほなみは焦れる。
――西君が、今、レコーデイングが終わったって?
じゃあ、ひょっとしたら、私が会いに行ってもいいの?
今夜は貴方の側に居られるの――?
喜びと、焦りに似た感情が沸き上がり、体温が急速に上がっていく。
ようやく赤から青に信号が変わりタクシーが走り出すが、あともう五秒でも遅かったら、ドアを開けて車外へ飛び出してしまいたい程の気持ちだった。