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らぶあど encore!
第27章 長い夜④
ほなみがまだ智也の妻だった頃――クレッシェンドの活動再開キャンペーンでメンバーそれぞれが分かれてラジオ出演に各地へ飛んでいた時だ。
収録中に突然ほなみがスタジオへとやって来たのだった。
ガラス越しにこちらを見詰めるほなみの瞳は熱くて潤んでいて――祐樹は収録の最中と言うことを一瞬忘れてしまいそうになった。
恋人に会いたくて電車に乗ってやって来たはずのほなみは、祐樹が歩み寄ると逃げ出したのだ。
走るほなみを捕まえて抱き締めて口付けて――ほなみは、例え一晩でも離れたくなかった――と言った。
愛しくて、恋しさが溢れて、堪らなかった……
ほなみを烈しく抱いたあの夜の記憶が蘇り、祐樹の獣は今度こそ目覚めてしまった。
「……っ……ダメだって……考えるな……鎮まれ……っ」
唇を噛み締めて拳を握ったその時、ドアが開いて振り返るとパジャマ姿のほなみが立っていて、祐樹は息を呑んだ。