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らぶあど encore!
第27章 長い夜④
祐樹は部屋に掃除機をかけてベッドを直し、出しっぱなしにしていた本やら空き缶をせっせと片付ける。
シャワーの音が聞こえ、ほなみの声が小さく聞こえた様な気がしたが、首を振って作業に集中しようと瞼をぎゅっと瞑った。
(ほなみが朝まで居るからって浮かれちゃいけない……今夜はちゃんとゆっくり休ませてあげなくちゃ)
「煩悩退散……煩悩抹殺……集中集中……今夜はほなみに触らない……っと……」
ほなみを抱き締めた時も、実はこの呪文を頭の中で繰り返していた。
あのままソファへ倒してしまいたい衝動を懸命に堪えていたのだ。
それにしても不思議だった。今夜は景子の所にいく予定だったのにスタジオまでやって来たほなみ……
「まさか、景子ちゃと喧嘩になったとか……?……いやいや……最近は仲良さげだったしそれはないか?」
祐樹は本を戸棚に戻しながら、そういえば以前もこんなことがあった、と思い出していた。