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らぶあど encore!
第28章 クレッシェンド作戦会議
「……なんだか……非常事態なのに緊迫感ないね」
両の鼻の穴にテイッシュを詰めたままの三広が、パンケーキを手に呟いた。
綾波は既に完食して立ち上がると勝手知ったる、という風にキッチンに立ち珈琲を淹れる支度を始める。
席を立ち手伝おうとするほなみを手で制すると、綾波は小さく口を歪めて言った。
「まあ、昨夜三広から連絡が来たときには焦ったがな……亮介が車に跳ねられた――!て喚いて泣いてるし……最悪の事態を想像した」
「……」
三広は少し笑って、野村と顔を見合わせて笑う。が、車にぶつかって空高く飛んだ亮介の姿を思い出し、背筋に震えが走った。
最悪の事態――そうだ。そうなる可能性だって大いにあった。
手の怪我で済んだのは奇跡だ。