この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
らぶあど encore!
第28章 クレッシェンド作戦会議
「綾波さんがピアノ……西くんがギター……」
ほなみは、面差しの似た二人の競演を思い浮かべ、思わず頬を緩めてしまう。
いつもピアノを弾いている祐樹がギターをプレイする意外性もアリだと思うが、彼とそっくりな綾波がピアノを弾く姿も充分に女性ファンの心を掴むだろう。
(見てみたいな……)
「ほ――な――み……今、綾波がクレッシェンドメンバーになった姿を見たい、とか思ってなかった?」
「えっ」
顔に全部出ていたらしく、不貞腐れたように頬を膨らめた祐樹に言い当てられて、ほなみは焦る。
「う……ううん?違う……よ」
「そ~かなあ?」
怪しむ祐樹だが、先程の綾波の言葉が頭の中にひっかかり、突如何かが閃いたらしく、手を叩いて大きな声を出した。
「そうだあ!」
「ひっ!びっくりすんだろ――!お前声でかすぎ!」
三広は驚いてソファからずり落ちる。
祐樹は生き生きと瞳を輝かせ、パソコンを開きキーを叩き始めた。
鍵盤を叩く時の様に軽やかに踊る指先にほなみが見惚れていると、祐樹は皆を一人一人見て言った。
「ちょっと……冒険かもしれないけどさ……面白い企画思い付いた」