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らぶあど encore!
第29章 貴方の側に居たい
「検温で――す」
クリーム色のカーテンの向こうから看護師の声が聞こえ、景子は慌てて亮介の胸を叩く。
だが亮介は景子を抱き締めたまま離さない。
病室のベッドの上、亮介の膝の上に座らされた景子は、必死に彼の胸を叩いて小声で言った。
「ちょっと……っ!看護師さんが来るってば……」
「え――離れたくないなあ」
「……ばっ!こんなところを見られたら私、出入り禁止になるわよ!いいの?」
「む――」
亮介は、渋々、という顔で景子を離した。
景子は素早くベッドから降りて髪を直しカーテンを開け、看護師に挨拶をする。
「こんにちは……お願いします」
「こんにちは――北森さん!毎日ご苦労様です」
若い看護師は、毎日来ている景子をすっかり亮介の恋人だと思ってるようだった。
二人を見てニコニコして「お邪魔虫はすぐに消えますから!さあ、ちゃっちゃと検温しましょう!」と手際よく体温計を亮介に渡して血圧を測る。