この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
らぶあど encore!
第29章 貴方の側に居たい
「……っ」
真っ赤になり下を向いて居心地悪そうにしてる景子を亮介は笑って見詰めた。
パキパキとした口調で看護師が亮介に昨夜は眠れたかとか食欲はいつも通りか、と言う質問をしている間に体温計が鳴った。
「――36度7分……大丈夫ね……腕の痛みは強いですか?」
「たまにちょっと位かな」
「ふ――ん……てことは結構痛むって事かしらね。痛む時には無理せず薬を飲んでくださいね――」
「え――っ平気ですよ」
看護師は人差し指を亮介の目の前で振って「ちっちっち」と口を尖らせて言い、景子の方を見た。
「この方ね、笑って無理する癖がついてるみたいですから、彼女さんが気を付けてみてあげてくださいね~」
「は、はいっ……て……私は彼女じゃ」
「そうそう!彼女じゃなくて、俺の嫁です――!」
「な、何を言ってるのよ――!」
元気に宣言する亮介に、景子は真っ赤になり言い返し、看護師はクスクス笑った。