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らぶあど encore!
第29章 貴方の側に居たい
「……ふふ……アハハ……っ……も……もういいから……っ……」
景子は細い身体を折り曲げて、息も絶え絶えに笑うが、目の前で唖然とする亮介が目に入ると、余計に可笑しくなってしまい、より激しく笑い転げた。
正に笑い転げている彼女を亮介は最初は驚き、次第にいとおしい気持ちで見詰めていた。
こんなに屈託なく笑う景子を初めて見た。自分に何もかもさらけ出してくれる日はまだ遠いのかも知れない。だが、今こうして側で笑っている彼女は間違いなく心を開いていた。
涙まで流す景子を亮介は片腕でギュウと抱き締め、再びベッドへ深く沈める。
まだ苦しそうな景子は、そっと亮介の胸を押した。
「ごめん、もう本当に行かなくちゃ……」