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らぶあど encore!
第30章 密約
『あ、あの……お話の邪魔してたらごめんなさい……今日、景子ちゃんと、智也のお父様とお食事って聞いて――』
ほなみの声は、綾波に組み敷かれている景子の耳にも届く。
ビクンと身体を震わせ、あの夜別れたきりのほなみの柔らかい笑顔が過り、また泣きそうになってしまう。
綾波はそんな景子の表情を面白そうに観察し、片手で彼女の髪を弄びながら話す。
「ああ、そうだが……どうした……俺が北森さんを取って食いでもするんじゃないかって心配してるのか?」
『もう……綾波さんが言うと冗談に聞こえないわ』
「はは……そうか」
景子は身体を竦めて瞼を閉じた。
――ほなみにも疑われているのだろうか。それも無理はない。
最初景子が取った態度を思えば恨まれていたとしても仕方がない――