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らぶあど encore!
第30章 密約
「――!」
景子がきつく瞼を閉じたその時、綾波の上着のポケットの中のスマホが鳴り出した。
綾波はチッと舌打ちをするが、そのメロデイーを聴いて、狂暴な瞳の輝きが少し和らいだかのように見えた。
景子の手首を掴んだまま出ると、優しい声で返事をする。
「……ほなみ……どうした」
『こ……今晩は……あの……』
「なんだ?ずいぶん改まった言い方だが、俺に告白でもするのか」
『――もうっ!綾波さんったら』
綾波はくつくつと笑うが、景子は恐怖にまだ身体を固くしていた。