この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
らぶあど encore!
第31章 運命のメリーゴーラウンド
「ねえねえ、あの人カッコよくない?」
「うん……私も見て思ってた」
「モデルかタレントなのかなあ」
「声かけてみる?」
「ええ――っ……なんかあそこまでカッコいいと近寄りがたいよ……無理――」
「一人なのかなあ」
「こんな場所に一人とかあり得ないでしょ?」
少し離れた所からこんな女性たちの囁きが聴こえてくる。
休日の今日、沢山の人々で溢れるテーマパークの中のカフェテリア『ドリームマウスキッチン』のカウンターで、レザージャケットを羽織りサングラスをして長い脚を組み座り、ジンジャーエールのグラスをストローで掻き回す史は目立っていた。
史は、時々「きゃあ」とか悲鳴をあげながら噂をする女たちの方をちらり、と見る。
二十代前半のそこそこの容姿の三人の女たちだった。
史が振り向いたのに気付き、皆目を丸くして口を掌で押さえ、早口で何かを言っていたが、その中で一番背の高い女が立ち上がって史の方へやって来た。