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らぶあど encore!
第31章 運命のメリーゴーラウンド



「ねえねえ、あの人カッコよくない?」

「うん……私も見て思ってた」

「モデルかタレントなのかなあ」

「声かけてみる?」

「ええ――っ……なんかあそこまでカッコいいと近寄りがたいよ……無理――」

「一人なのかなあ」

「こんな場所に一人とかあり得ないでしょ?」




少し離れた所からこんな女性たちの囁きが聴こえてくる。

休日の今日、沢山の人々で溢れるテーマパークの中のカフェテリア『ドリームマウスキッチン』のカウンターで、レザージャケットを羽織りサングラスをして長い脚を組み座り、ジンジャーエールのグラスをストローで掻き回す史は目立っていた。

史は、時々「きゃあ」とか悲鳴をあげながら噂をする女たちの方をちらり、と見る。

二十代前半のそこそこの容姿の三人の女たちだった。

史が振り向いたのに気付き、皆目を丸くして口を掌で押さえ、早口で何かを言っていたが、その中で一番背の高い女が立ち上がって史の方へやって来た。





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