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らぶあど encore!
第31章 運命のメリーゴーラウンド
女達は何がそんなに楽しいのか、黄色い声を上げて笑い転げていた。
史はサングラスをテーブルに置き弄びながら小さく呟く。
「楽しくデート……か……」
今日は、景子と洋平――で、このテーマパークで一緒に過ごす事になっている。
洋平は史の息子だ、と景子は言っているが、史は今まで一度も会ったことがない。
不思議な気持ちだった。自分の遺伝子を持つ小さな生き物――こんな言い方は悪いのだがろうが、史はそんな風にしか思えないのだ。
女は子を身籠った時から既に母親だが、男は違う。ましてや景子が妊娠してから三年以上の空白があって、息子の顔も見ていない史は自分が父である自覚もなにもない。