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らぶあど encore!
第31章 運命のメリーゴーラウンド



景子が自分の前から姿を消してから数年経ったある夜、景子は史の居る店の近くに現れた。

変わらぬ処か、景子は更に美しくなっていた。物言いたげな花びらのような唇、どこか憂いを含んだ輝きの瞳が視界に飛び込んできた時、史は無意識に景子を追い掛けて捕まえ、その腕に抱き締めていたのだ。

一度見失った蝶をこの手に取り戻したような高揚感で一杯になっていた。

景子も史を忘れていなかったようで、史の抱擁と口付けに溺れるように応えてきた。

そして景子は史に毎日のように会いに来るようになり、いつしかその事が景子の両親に知れる事となり、母に厳しく叱責されて子供から引き離された。

面倒な事になった、と正直思ったが、クレッシェンドに――西本祐樹に復讐するには駒が必要だった。

史の言うことなら何でも従う都合の良い駒。

景子はうってつけの駒だった。
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