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らぶあど encore!
第31章 運命のメリーゴーラウンド



ほなみに「勝手だ」と言われて初めて自分の振る舞いを振り返り、景子にあの夜取った態度を少し後悔した。

ほなみに「ありがとう」と言われて、初めて感じた正体不明な甘酸っぱくて少しの痛みを伴う気持ち――

あのライヴの後、ほなみには勿論、景子にも会っていなかった。

景子からのメールと、ネットのクレッシェンドの臨時メンバー募集の知らせで、今の景子を取り巻く情況が慌ただしいというのは予想できていた。

――「景子ちゃんに謝ってあげて」

ほなみの言葉が時折過り、スマホを手にどうして景子に切り出したものかと暫し考えてはため息を吐いてまたスマホを放り出す、という事を幾度繰り返しただろう。

ベッドに横になり、あの時の景子の目に涙を溜めた表情を思い出し、一体今までに自分は何度彼女にあんな顔をさせたのだろうか、と考えた。

今までは泣かれても鬱陶しいとしか思わなかったのに、ほなみと出会ってから、ひょっとして自分は景子に悪いことをしてきたのではないだろうか――と、初めて感じたのだ。




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