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らぶあど encore!
第31章 運命のメリーゴーラウンド
「そうか……遂に俺は景子に捨てられるのか」
史は軽い口調で呟くが、思いの外その言葉が自分の胸を突き刺し、痛みを覚えた。
景子は自分にベタ惚れでぞっこんで、少々ひどい扱いをしても、キスのひとつでもすれば機嫌を直して頬を染めたのだ。
もうそれは過去の話になりつつあるらしい。
史は女と付き合うに当たって相手の気持ちを思いやった事は無いに等しかった。今までに寄ってきた女達は、気まぐれな猫の様な史を「ミステリアスで素敵」と言い、彼の自分勝手ささえ魅力のひとつとして捉えていた節がある。
だから、史も自分の性格に問題があるだとか、生き方を変えなければだとか考えた事もなかった。
そんな史の心の中に小さな変化をもたらしたのは、ほなみとの出会いだった。
ほなみに真っ直ぐに見詰められながら叱られて、ある意味カルチャーショックだった。親にも放っておかれていた史だが、初めて真正面からぶつかってきたのが彼女だった。