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らぶあど encore!
第32章 言葉に出来ない
「あ……あの……ね」
しゃくり上げる景子に母の応答はない。
景子は涙を拭いながら途切れ途切れに状況を話す。
「洋平が……メリーゴー……ラウンド……に乗りたいって……その時……あの子……凄く嬉しそうに笑って……っだけど……」
『……』
沈黙の中に母の苛立ちを感じ取った景子は一瞬怯むが、話を続けた。
「楽しそうに……笑ってたの……笑ってたのに……ようちゃんが突然苦しそうに咳をして……それで」
身体の中の物が全て出てしまうのではないか、と思うくらいに烈しく咳をし、呼吸ができなくなり痙攣してぐったりと動かなくなった洋平の姿が瞼の裏に蘇り、景子は目の奥が焼ける様に痛み、絶句した。