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らぶあど encore!
第33章 言葉に出来ない②
綾波は腕を組み、眉をあげた。
「ほう……そうなのか……北森さんもなかなかどうして……やはりいい男を見付けてくる才能に長けておられるようだな」
綾波の言葉に険を感じ取った史は眉間に皺を寄せて彼にズイと歩み寄った。
「――何が言いたいんだてめえ……」
「ほう……綺麗なのは見てくれだけなのか?随分と挑発に乗せられやすい性質のようだな……北森……男はちゃんと選んだほうがいいぞ」
「テメエこそ……景子にこの間何かしただろう――!」
史は激昂して綾波の胸ぐらを掴んだ。
綾波は口元だけ笑っているが、目は鋭く史を見詰めている。
「史……っ……止めてっ」
景子が史を止めようと走りよった時、救急入り口の自動ドアが開いて看護師が景子に向かって大きな声で言った。
「北森さん、ここに居られましたか!先生からお話がありますので、診察室へ入って下さい」