この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
らぶあど encore!
第33章 言葉に出来ない②
「……っ」
「私達、飲み物を買いに病室から少しの間出掛けてたんです……戻ったら……亮介さんが……ほなみさんがさっき倒れて……西くんと一緒に救急病棟へ行ってるって……」
しゃくりあげ始めてしまったあぐりに代わりカナが答えると、景子はあぐりに駆け寄った。
「倒れたって――どうしたの?」
カナは、あぐりの手を引いて景子から一歩引いて彼女を真っ直ぐに見据えた。
「……北森さんには関係ありません」
「カナ……?」
景子は呆然と立ち尽すが、カナは低い声で更に続けた。
「……その男の人と会うために、私達に亮介さんの見舞いを頼んだんですね」
「――!」
景子は凍り付き、史は拳を握り締めカナに詰め寄る。
「おいっ!今はそんな事言ってる場合じゃ……ほなみは!ほなみがどうしたんだよ!」