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らぶあど encore!
第33章 言葉に出来ない②
「景子……」
不満げに振り返り唇を尖らせる史に景子が頷くと、彼は舌打ちしながらも渋々黙り椅子に座った。
看護師がいつの間にかそんな史を鬼の形相で睨み付けていて、景子は「すいません」と頭を下げる。
透に真っ直ぐに向き合った景子は、彼の目を見詰めてきっぱりと言った。
「先生――もしも、洋平がその心臓の病気を持っているとしたら、どうやったら治りますか」
「……またパーセンテージの話になってしまいますが――」
透はまた手元の紙にペンを走らせる。
景子と史は紙を見詰め、そこに書かれた数字に絶句した。
――手術の成功率1%未満――