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らぶあど encore!
第34章 祈り



「ああ……本当に病院の待ち時間って嫌いよ――自分の時もだけど人のはもっと嫌……」



 幾つもある救急の診察室の一つに入ったほなみと祐樹を待ちながら、待ち合いの椅子に座る事もせずにあぐりはウロウロしながら爪を噛み呟く。

 綾波は二人が入ったという二番と書かれた白い部屋のドアを睨み付けるように見詰めていた。

 カナは智也に電話をしてくる、と言ったきりまだ戻ってきていなかった。

 

「亮介くんも心配してるだろうけどまだ先生の話も聞いてないから……なにも言えないし」




 あぐりは腰まである長い華やかな巻き毛を右手でグシャグシャとかき上げて苛立った様にヒールの爪先で椅子の足を軽く蹴る。


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