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新月
第4章 夢の出来事
暗闇に目がだんだん慣れてくると、
チヨは、ムクリと起き上がり、自分の姿を確認する。
(あぁ、昨日の身なりのまま、寝てしまった。
泣きながら寝てしまうなんて…)
これからお世話になる美月に、初っ端から迷惑をかけてしまい、チヨは後悔の念でいっぱいだ。
はぁ、
と、溜息をつき、
そういえば、夢での物音はなんだったのかと、
ふと疑問に思った。
しんと、物音がしない奥屋敷なので、
夢の中の出来事かと、そう、思おうとした時、
コトリ……
自分の部屋ではない場所から、物音がした……。
(どこから…?)
チヨは、自分の部屋の襖をそぉっと開けて、廊下に顔を出してみた。
廊下では物音はしない。
また、何か音はしないかと、耳を傾けていると、
ハァ…
ハァハァ………
人の息遣いが聞こえてきた…。