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新月
第7章 大切なこと
——美月の目のことを聞いて、チヨは、自分にできることはなんでもやった。
初めは何をしてよいか、わからなかったが、
食事の用意、
着る物の仕方、
美月の好きなこと——。
自分で確認しながら、起きてから寝るまで一生懸命に動いた。
その甲斐あってか、
布団に入るとストンと、意識はなくなっていた。
初めは、寝たらすぐに朝という、熟睡を経験していたが、
ここ最近は、少しは夢も見るようになってきた。
(フゥ…。
今晩は、大丈夫かしら。)
胸がキュウっと締め付けられる…。
(かかさま……かかさまに夢でお会いできるのは嬉しい…。
でも…。)
最近は、母親が生きていた時の幸せなひとときを味わっていた。
たが、
起きた時の焦燥感は、幼いチヨには、辛すぎた。
目を閉じると、また、夢の時間が始まりそうだ。
(眠らないと。
明日も大変なのだから。)
チヨは目をつぶり、布団と頭までかぶった。
スルスルと、夢がチヨの頭に流れ込んでくる———