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叔父姪えっち
第10章 はじまりのおわり
お父さんが来たのは11時ごろだった。
もうすぐ着くよって連絡が来て、なんとなく二人して色んな痕跡がないか確かめあう。

最後に叔父さんの前で腕を広げると、しょうがないなぁって顔で受け止めてくれる。
やっぱり大人だからなのか、叔父さんはさっぱりした対応で、わたしは少し悲しくなる。
でも大人は上手に気持ちを隠すのを知っている。わたしも、できるようになるだろう。
お父さんの車のエンジン音が聞こえて強くこぶしを握る。


「お~っなんか大人っぽくなったんじゃない?」
車から降りたお父さんはわたしを見るなり一言目にそう言って、ちょっと驚いた顔をした。

「そう?」
わたしはちょっとひるむけど、
「子供の成長は早いからなぁ」
と叔父さんがいつもののんびり口調で言う。
のらりくらり。

「麦茶でも飲んでけ」と叔父さんが言って居間にあがる。
「どう? 慶子さんと赤ちゃんは」
お茶をのんで落ち着いてから、叔父さんがお父さんに話を向ける。
「うん、おかげさまで無事生まれて、母子ともに健康だよー」
お父さんがニコニコと言う。そしてあらたまった顔になって、
「長いことミキのことありがとう」
と頭を下げる。

「いやいや、俺も楽しかったし。なんか若返った気ぃするわ~、どう?」
叔父さんがいつもの軽口をたたく。
「どうってお前なぁ、どう見ても普通におっさんやぞ」
「なんやねんお前のが年上のおっさんやろ」
「でも子供も生まれて幸せなおっさんや~」
「はいはい」

お父さんもあっという間に関西弁になって、漫才みたいになっている。
ふふふ、と笑うとおじさん二人もへへへ、と笑う。
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