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Doki Doki/one way love〜一方通行の恋
第7章 隣のさゆりさん


マンションのエントランスでたまに顔を会わせるお隣のお姉様、さゆりさんは感じの良い人で、係長と私のことを兄妹が引っ越してきたのだと、すっかり思い込んでいるらしく、最近では私にはお兄さんお元気? と、係長には妹さんお元気? などと気さくに話しかけて来るようになっていた

今日もエレベーターから降りたところで丁度鉢合わせたさゆりさんに呼び止められた

「あら、雛ちゃん、ちょっと」

「あ、さゆりさん、こんにちは、え?え? な、何でしょう…」

「ねえ、あなたのお兄さんのことなんだけど…」

「はい? あっ、ああ、兄… ですか?」

「そうよ、つかぬ事を聞くけれど、あなたのお兄さん、誰か決まった人はいるのかしら?」

「決まった人、とは?」

「そう、決まった人… んもうっ、わからないかしら、お付き合いしてる女性はいるのかしらって聞いてるのよ」

「さあ…」




「ーーーーーと言うわけで、係長、モテモテですね」

「……」

「実は会社でも他の課の女子社員達から結構頼まれるんですよねー、係長との合コンセッティングしてくれって… どうします? 一度合コンでもかましてみますか?」

取り敢えずタダ飯が食える合コンを何気に勧めてみる

「お前なぁ、社内で合コンしてどうすんだよ、俺はゴメンだぞ、社内恋愛は面倒なだけだからな」

「それもそうですね、ごもっともです、確かに面倒くさそう」

「それに俺、女の好みだけはうるさいぞ」

「………」

ははっ、よく言うよこの男は
女の好み、だ、け、は、と来たよ

「うーん… では、暑気払い、ということで飲み会はいかがでしょう?」

「まあ… 課長に相談してからだな」

「らじゃ! あ… お隣の件はどうします?」

「……適当に断っておけ」

「御意っ」

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