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外れない首輪
第3章 御主人様の瞳
彼と物理的に別れさせられ、勉強に専念するしかやる事が無くなったせいか、成績も元に戻り、無事、女子短大に入学・卒業した後、秋津商事に入社した。
誰かと付き合うことは無いわけではなかった。交際を申し込まれはするものの、煩すぎる両親のおかげで、ほとんどが清い交際で、ガッカリしたかのように相手から別れを告げられ終わってしまった。
そういえば、短大1年のクリスマスに、一回だけ当時付き合っていた男性とセックスをしたっけ。全てが淡々と終わってしまい、正直言ってつまらないという感想しか残らなかった。これだったら、自分を責めながらする自慰の方が気持ちいい。とまで思ってしまった。案の定、すぐに別れてしまった。
通学の電車の中や、コンビニとか雑踏の中で気になる男性は何人かいたけど、声をかける勇気がなくそのまま通り過ぎてしまっていた。そういう男性は年齢に関係なく、あの瞳をしていた。私をゾクリとさせる、冷たくて熱い瞳。
もし、そんな男性が近くにいたら私は魅入ってしまうだろう。
もしかしたら、浅ましくねだってしまうかもしれない。
その瞳で私の恥ずかしい姿を見て、嗤ってほしいと。

そんな思いを抱えていた頃、彼と出会った。
私が心から欲しいと思った、御主人様 広瀬隆洋に。
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