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外れない首輪
第3章 御主人様の瞳
当時私は社会人2年目。秘書課に配属され、先輩の長沼さんに付いて秘書の仕事を勉強して(先輩の管理下ではあるものの)独り立ちして、新しく就任される部長の秘書になることが決まっていた。
「先輩っ、先輩!人事異動の発表見ました?私も出てます!」
「絵理…そんな焦んなくても大丈夫よ、控えが手元に来てるでしょ?」
初の秘書としての人事発表に興奮する私を尻目に、長沼先輩は苦笑しながら受け流す。
「部長は…広瀬さんかぁ。若手の中では一番の出世株って言われてる方ね。若いからその分細かくは無いでしょうから…絵理良かったわね。勉強させてもらいなさい。」
「はいっ!頑張ります!これからもご指導ご鞭撻よろしくお願いしますっ!」
私はブンッと音が出るくらいの勢いで、先輩に頭を下げる。
「はいはい…これからもよろしくね…っと、井上さん、広瀬新部長がいらしたわよ」
廊下から私達の控え室に広瀬さんが歩いてきた。
目があう…あのゾクリとする感触がした。
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