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外れない首輪
第5章 アンナ姐
「ショーにポチが出れなくなったんだ。ブー太は出せないから、あんた出てよ?」
彼女は近くにあるSM系ショーパブの女主人(ミストレス)を雇われだけどやっている。
ちなみにポチだのブー太だのは、抱えてる奴隷の名前だ。ポチは確か…堀内さんって言ったかな…。ブー太は文字通り太ったオジさん、名前は忘れた。
私は人がいない時にショーに出るときがある。簡単にいうと趣味と実益を兼ねた小遣い稼ぎだ。顔はアイマスクで隠してあるし、ショーの見物客とプレイすることも無い。縛られバイブを入れられ、端に置きっぱなしにされて、花瓶とかと変わらない扱いをされているのにイッてしまう。もちろん置物と変わらないので、何度もイッてしまっても放って置かれたままだ。この状況を楽しめて小遣いまで貰えるなんて、美味しすぎる。と思っている。
「なんでブー太さん出せないの?」
「予約が入ってるんだよ。アイツ、成金の。」
「あー…成金かぁ」
成金…これもあだ名だけど、成田さんとかいうどっかの建設会社の社長のことだ。札ビラで引っ叩けば、女なんて言う事を聞くだろうと思ってる、嫌なヤツ。金払いはいいけど、ショーは女性じゃないと文句を言い出して煩いし、時にはショーに出てる女の子を貸せとか言いだす、困ったタイプのお客様だ。もちろん、アンナ姐はあれは見世物ですから。と頑として断っているが。
「まぁ…しょうがない…かな。わかった。でも絶対触られたくないからね?」
「そりゃ、もちろん。というか、アンタはさっきのことでスイッチ入っちゃったから、ちょうどいいんでしょ?あーあ、喜ばせて、お金払うなんてばっかみたい。じゃ、行こっか。」
私をからかいながら席を立って、バーの厨房を抜けて裏口を出、向かいのビルの裏口のドアを開錠し、地下に降りる。
ちょっと不便だけどこのルートを通ることでアリバイ作りにもなる。とはいえ、知り合いに会ったことはないけど。念には念をだ。
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