この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
外れない首輪
第8章 first night
10分後…私達はホテルのエレベーターに乗っていた。
恋人同士のように手を絡ませながら、昇るエレベーターの中で私は俯いて小さく溜息を吐いた。
邪魔されないところで、じっくり話をしたいから。と言っていたけど、さっそく試すとかそういうことなんだろう。やっぱりフツーの男の人と変わらないんだと、心の片隅で落胆していた。だとしても、私には断る権利も立場でもないんだろうし。という諦めに似た感情、そういったものがない交ぜになって、焦がれていた気持ちが萎んでしまったようにも感じた。寝ることで醒め、気持ちに整理がつくならそれもいいだろう。
部屋に入り、彼は一人掛け用のソファーに腰かける。
「おいで」と呼ばれ、足元に膝まづく。両手で顔を挟むようにされ
「いい?今日は本当に僕からは何もしないから。話をして、もしかしたら見せてもらうかもしれないけど、それくらい。安心していいよ。じゃまずは...」
と、広瀬さんは自分のことを話し始めた。
先程の自分の性向のこと、電車に乗っている時の私の表情でもしかしたら?と思ったこと。
シアトル系コーヒーショップでは、学生の時みたいにドキドキしてしまったこと。
それでもそれ以上の事はできないだろうと思っていたけど、ショーパブで私に気付いて試してみたかったことをしてしまったこと。
帰り際に、ポチさんからバーの名刺を渡され
「プレイの手伝いの御礼で飲み物をお出ししますので、是非」
と言われ立寄ったら、私が来て口笛を吹きたいくらいにツイてると思ったこと。
「きみが僕の犬になったら、すごく楽しいことが起きそうで、逃がしたくないって思った」
そう言われて、私には断る理由がなかった。
恋人にはなれないだろうけど、犬にはなれる。
それでもいい。彼が私に触れてくれるのなら。
醒めて気持ちに整理が付けばいいなんて、思っていたけど、そうもいかないみたいだ。
恋人同士のように手を絡ませながら、昇るエレベーターの中で私は俯いて小さく溜息を吐いた。
邪魔されないところで、じっくり話をしたいから。と言っていたけど、さっそく試すとかそういうことなんだろう。やっぱりフツーの男の人と変わらないんだと、心の片隅で落胆していた。だとしても、私には断る権利も立場でもないんだろうし。という諦めに似た感情、そういったものがない交ぜになって、焦がれていた気持ちが萎んでしまったようにも感じた。寝ることで醒め、気持ちに整理がつくならそれもいいだろう。
部屋に入り、彼は一人掛け用のソファーに腰かける。
「おいで」と呼ばれ、足元に膝まづく。両手で顔を挟むようにされ
「いい?今日は本当に僕からは何もしないから。話をして、もしかしたら見せてもらうかもしれないけど、それくらい。安心していいよ。じゃまずは...」
と、広瀬さんは自分のことを話し始めた。
先程の自分の性向のこと、電車に乗っている時の私の表情でもしかしたら?と思ったこと。
シアトル系コーヒーショップでは、学生の時みたいにドキドキしてしまったこと。
それでもそれ以上の事はできないだろうと思っていたけど、ショーパブで私に気付いて試してみたかったことをしてしまったこと。
帰り際に、ポチさんからバーの名刺を渡され
「プレイの手伝いの御礼で飲み物をお出ししますので、是非」
と言われ立寄ったら、私が来て口笛を吹きたいくらいにツイてると思ったこと。
「きみが僕の犬になったら、すごく楽しいことが起きそうで、逃がしたくないって思った」
そう言われて、私には断る理由がなかった。
恋人にはなれないだろうけど、犬にはなれる。
それでもいい。彼が私に触れてくれるのなら。
醒めて気持ちに整理が付けばいいなんて、思っていたけど、そうもいかないみたいだ。