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【短編集】real
第4章 ゲーム
辿り着いたのは、先輩の住んでいるというマンションだった。

オートロックの玄関を抜け、エレベーターで目的の場所まで向かう。

「ごめんね、とりあえず顔出して、理由つけて解散するからさ」

トモは、まだ申し訳なさそうに頭を下げた。



インターホンを鳴らすと、すぐに扉はひ ひらいた。

「いらっしゃい」

優しく微笑む先輩は、思ったよりも好青年で。
トモの存在をわすれて、魅入ってしまった。

通された部屋はワンルームだけれど、かなり広い。

テレビの横には、1mはある水槽の中に、鮮やかな熱帯魚が泳いでいた。

ベットにもたれながら、出されたクッションに座る。


「ごめんね、デート中に。すぐ終わるから」

トモと先輩は私のわからないパソコンをいじりながら、私のわからない話をしている。

ようやく作業が終わったのか。
二人が私を挟むように座ったときには、1時間以上が経過していた。
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