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【短編集】real
第4章 ゲーム
ゲームのルールは簡単。

グラスに空けたお酒を、一番最初に飲み干した人が王様。
王様は他の二人に1つ命令が出せる。

先輩は3つのグラスになみなみと日本酒を注ぐ。

「ハンデあげるね」

先輩の目の前日本酒置かれたグラスは、私やトモのもの倍はある。

トモは、お酒が弱い。
ビールだって、コップ一杯飲めない。
勝負にならないから、嫌がったのか。

そんなことを思っていたら、先輩がグラスを持った。

「じゃあ、スタート」

その声に慌ててグラスを掴む。
喉を焼くように、アルコールが滑り落ちる。

「はい、俺の勝ち」

もう少しで飲み終わるところで、私は勝負に負けた。


「さぁて、どうしようか」

私は先輩の声よりも、隣のトモが気になっていた。
グラスの半分ほど、強引に流し込んだあと、激しくむせている。

ようやくトモが落ち着くと、先輩は言った。


「じゃあ、ここでふたりでやって」
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