この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ネムリヒメ.
第8章 雨.
「聖、ちーちゃんは?」
「ぁぁ、やっと少し落ち着いたよ」
聖は葵と言葉を交わすと、ひどく睨み付ける雅に目をやった
「…お前のせいでひどくご乱心だよ、渚くん」
冷たく蔑すむ栗色の瞳で雅を刺すように見る聖
「久しぶりに見たかも…あんなに怒った魔王みたいな渚くん」
「あ゛!? …んなの知るかよ」
「雅……それ本気で言ってんの…」
「はぁ!? お前も説教かよ!!」
雅は葵を突き放して、殺気に満ちた目で今度は聖に食って掛かる
すると聖はふっと口角だけを曲げて顔を歪めた
「雅…もしかして彼女のコト覚えてないの!?」
「はっ!? あんなオンナ知らねーし」
「…そぅ……」
眉を吊りあげて凄む雅に、なんら態度も変えずしばらく何かを考える聖
そして…
「…ま、いっか!!」
「はぁ!? わけわかんねぇ」
「いやいやいや、聖…よくないでしょ!!」
開き直ったような口調の聖に、すかさず葵の突っ込みが入った