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ネムリヒメ.
第8章  雨.



「じゃあ、なんなんだよ…マジで!! あの渚さんに限ってオンナとか言うんじゃねーだろーな」

「渚くんのオンナねぇ……もし、そうだって言ったら!?」

「はぁ!? 渚さんだぞ…あり得ねーだろ」


聖は胸元を掴むの雅の手を払いのける


「でも現に…それに近いんじゃなーい」


聖は目の前の雅をすり抜けて葵の前へとやってくる


「おい、聖!!」


声をあげる雅をそっちのけにする聖に、葵は顔をあげて何も言わず鋭い視線で聖を見た


「彼女もカラダだけじゃなくて、すでに心を許してるの…実際に渚くんだけだし…」

「………」

「葵くんも見たでしょ、震える手で渚くんに必死にしがみつく、ちーちゃん」


「知ってる…けど、ナギのオンナとか、そんなのオレは認めるつもりはないけど…」


葵が青い瞳をギラつかせて口元を歪める


「へぇ…まぁ、それはオレも一緒だけどね…」


放置され呆気に取られる雅の前で、青色の瞳と栗色の瞳から放たれる視線が妖しく絡み合った


「おい、お前らなに訳わかんねーコト言ってんの…

オレはあのオンナ誰だって聞いてんだけど!!」


よくわからないふたりのやり取りに雅のイライラがピークに達する


すると聖が妖しく微笑みながら振り返った



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