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ネムリヒメ.
第13章  シャンパン☆ストロベリー.


す…素敵すぎる…!!


「…おいで」


驚いて言葉を失ったまま固まっていたアタシは、葵くんに手を引かれてテラスに出る


「綺麗…」


アタシは思わずテラスから身を乗り出して、大勢の人が行き交うパークを見下ろした

辺りはさすがにもう暗くなっていて、再現された地中海の港町が放つキラキラとした灯りが宝石のようにまぶしい


「今日の食事、ここね」

「えぇ!!」


アタシの隣にきてさりげなくそう告げる彼


「ここって…」

「そこ♪」


テラスにあるテーブルを指差しながら微笑む


な、な、なんだって!?

だってここ、ただでさえ押さえるの難しいのに、食事しよ…って軽いノリでくる所じゃないよね

まさか何ヵ月も前に予約してたとか考えらんないし…

そりゃ嬉しいけど…


「えー!! でも、なんでなんで!? ここ、そんな急に取れないよ」

「ん、ちょっとね♪ やっぱ気になる!?」


気にならないわけがないけど
あ、聞いちゃダメだったかな…

興奮を隠せずに目をキラキラと輝かせるアタシを見て、頭をポンポンとする葵くん


「実はね、オレ明日休みだから譲ってもらっちゃった♪」

「ぅえ!?」


こんなテーマパークのホテルの予約を譲るって、どんだけ懐の深い人なんだろう…


「半ば無理矢理だったけど…」

「ぇ…よかったの!?」

「ほら、こないだ話した一ノ瀬さん」


え…あ…!!?


「えっ!?」

「あの人なら大丈夫大丈夫、

"気にしなくていいから今度デートしてね"

って言ってたけど、あはは」


「………」


恐るべし、一ノ瀬蓮…



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