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ネムリヒメ.
第15章 イチゴタルト.
「はいはい…お前の言いたいコトはわかるけど、んなもんまわりがなに言ったって、どうにかなるもんじゃねぇだろ」
「っ…!! いいの!?」
「あ?」
「渚くんは…」
なおも聖は不満そうに駄々をこねながら、タルトの最後のひとくちを口へ放り込むと、タバコを燻らせている渚を真っ直ぐ見据える
そんな聖にフッと煙を吐きながら軽く微笑む渚
「葵のヤツ、今日は絶え間なくオンナから着信が入る携帯切ってるんだよ……それで充分だろ」
「………!!」
そう言うと灰皿にタバコを押し付けて、渚はジャケットを手に席をたつ
そして、階段の手前で足をとめて振り返ると、聖を見据えたまま口元だけを緩めた
「だいたいな、お前らがアイツに手ぇ出すのなんて時間の問題だったっての…オレは始めから守りに入るつもりなんてねぇよ」
「………!!」
一瞬沈黙した聖を残し、リビングをあとにする渚
「…ちぇ…余裕……」
ため息混じりにグラスをピンと爪で鳴らした聖
彼のそんな呟きは、背を向ける渚の耳にもこだました