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ネムリヒメ.
第15章  イチゴタルト.




「はぁ……」


廊下に出て熱くなった顔の熱を冷ますように深呼吸をした


「………」


色々想うことはあるけれど、今はタルトをなんとか死守しないと!!

色気よりやっぱり食い気なのかな…

前にもこんな風に考えたコトあった気がするけど、そんな悲しいコトは今はどうでもいい


急いで廊下を駆け抜け、階段を降りようとする


が、


ガクンっ…


「へ………!?」


カラダが宙に浮い…た!?


ぇ…

ぇえっ!!

ちょっ!!!!!


………躓いた


飛ぶっ、飛ぶって!!


そう確信した時にはすでに遅し

バランスを崩して、グラリと揺れる視界に

落ちるっ…!!

そんな恐怖に瞬間的に目眩がして目をギュッと瞑る


すると、


「危なっ…!!」

「っー!?」


少し焦った大きな声に強い力で引き戻される

恐る恐る目を開けると、アタシの腰を後ろからガッシリと抱き止める長い腕に爽やかな香水の香りがして


「ちょっと…朝からお転婆も程々にしてね」

「っ…葵くん!?」


見上げれば、オシャレ眼鏡姿の葵くんがホッと息を吐き出してアタシを抱えていた



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